中春の雑草(12/4/30)

オニタビラコ/マツバウンラン/カキドオシ/アメリカフウロソウ
中春(って言葉があるのでしょうか、春の盛りのことです。厳冬、盛夏、中秋とあるのに)の 雑草です。この季節、春一番の雑草はその盛りを終え、まだ夏草がおい茂らないうちに花を 咲かせる一連のグループです。いずれも成長が早く、1週間も見ないでいると、景色がまったく 変わってしまいます。雑草屋さんにとっては忙しい季節になります。


オニタビラコ(鬼田平子) きく科。
名前の由来ですが、タビラコ(春の七草のホトケノザのこと)というのがあって、 それに似て大きなものと言うことで、オニタビラコだそうです。 ところが、今ではタビラコがそれほど多くないためか、 オニタビラコが「本家」を乗っ取ってしまい、 タビラコの方は<コオニタビラコ>と呼ばれるという、何とも不思議な話です。 「田平子」の名前の由来ですが、元々のタビラコが水田雑草で、 田にロゼットが平たくのさばっているからとか。 春の七草に入っているので、昔はありふれた雑草だったのでしょうね。 で、このオニタビラコ、図鑑的写真を撮るのが難しい花です。地面のロゼット (バラ状の根元から出る葉)から、一本のひょろ長い花茎を伸ばし、その先端に 多数の小さめの花をつけます。花を写そうとすると、葉が入りません。全体を写 すと、花が小さい点にしかみえません。今回は、葉をあきらめて、花を写したものを UPしてみました。 春の七草に入れられるタビラコの仲間なので、食べられるのではないかと思いますが、 おいしいかどうかは。それ以上に、春の七草で摘む「若菜」は、まだ花が咲かない 根生葉(根出葉)で、その時にはコオニタビラコとタビラコとの区別が難しく、 間違って食べる人も多い、との記述もあります。 まあ、大抵の植物の若芽・若葉はおいしいものです。 本当は植物は、若芽・若葉を食べられたくはないのですが、 有毒な化学物質、繊維や刺を 作るにはそれなりのコストがかかり、 それよりは少しでも早く葉緑素のある葉を作って、 光を求めての生存競争に勝ちたいと思っているのでしょうね。


マツバウンラン(松葉海蘭) ごまのはぐさ科。
北アメリカ原産の帰化植物、れっきとした雑草です。 葉が松葉に花がウンランに似ているというのですが、葉も花もそれほど 似ているとは思えません。この花、 他に例えられずとも、結構かわいらしくって、野趣があり、 それ自身で山野草の仲間入りする価値は十分あります。 冬から春にかけて日当たりのよい(つまり、他の植物の生えていない)原っぱ、 道端やアスファルトの隙間などに生育していますが、 手入れの行き届いた芝生や庭などにもよく侵入します。 一見華奢な形をしていますが、見かけによらず強靱で、 空き地全体がマツバウンランで埋め尽くされているのを見かけます。 きっと、花姿の美しさ、それほど大きくならないこと、夏には枯れてしまうこと、 などから、空き地の管理者に駆除の対象と見做されず「容認」されていることも あるのかなと思われます。 WEBで検索すると、「愛好会」まであり、そのHPには、 最初に確認されたのは1941年京都伏見向島とあります。


カキドオシ(垣通し) しそ科。
ちょっと見ではムラサキサギゴケと花姿が似ていますが、 あちらはごまのはぐさ科、こちらはしそ科で、科が異なります。 当然、花姿も、よく見ると全然違い、しそ科特有の形をしています。 カキドオシは写真のように、地面から大きく立ち上がり、茎をどんどんと伸ばして 成長していきます。 カキドオシの名は、垣根を貫いて繁茂するその様子を表しています。 しそ科ですので、しそ科特有の香りというか臭いがあります。 全草を乾燥したものは、「連銭草」という漢方薬になるそうで、 お茶のようにして飲むと体内の脂肪や結石を溶解させるとか、 ネットで検索すると、ちゃんと販売されています。 至る所に繁茂している雑草ですが、岐阜大学構内ではあまり大群落を見ないようです。 私が単に気づいていないだけかも知れませんが。 それともお茶にされてしまったとか(笑)。



アメリカフウロソウ(亜米利加風露草) ふうろそう科。
北米原産の帰化植物で、フウロソウ属(Geranium ゼラニューム)の仲間です。 アスファルトの隙間、植え込みの間、畑など所かまわず見られる雑草らしい雑草です。 でも、ゼラニュームの特徴をよく備えていて、 花屋さんで売っている「ゼラニューム」を育てたことのある人は、 「あ、ゼラニュームだ」とすぐに分かるのではないでしょうか。 日本古来の雑草(野草)では、ゲンノショウコによく似ています (同じ仲間ですから)。 ちなみに、ゲンノショウコの方、昔はもっと普通に見られる野草だったのでしょうが、 近頃は山間部に行かないと、なかなか見ることはできません。 で、アメリカフウロソウですが、草丈、葉の大きさに比べて花が小さく貧弱で、 おまけにまばらにしか花をつけないため、写真映えがしません。その代わり、と いってはなんですが、次から次と長期間花をつけているようです。雑草の強か (したたか)さなのでしょうか。 自分の庭には侵入してほしくない雑草の一つです。


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