春を告げる花木3(12/4/13)

コブシ/ハクモクレン
コブシもハクモクレンも早春に真っ白な花を、まだ葉の出ていない枝一面に咲かせます。 ともにもくれん科もくれん属(magnolia)で遠目にはよく似ています。 私はまだ学生だった頃、恥ずかしながら、いくら図鑑を見てもコブシとハクモクレンとの 違いが判らなくて、悩んだことがあります。実は、中国では辛夷とはモクレンのことを指すそうで、 古(いにしえ)の日本の学者さんも間違ったほどですから、 (なんと公園のプレートで間違っているのもありました) そんなに恥ずかしがらなくてもよいのかも。


コブシ(辛夷) もくれん科。
落葉高木。「こぶし咲く あの丘 北国の春」と唄われている あのコブシです。確かに雪解けの大地に真っ先に咲くコブシは北国の春のシンボルですが、 実は日本全国に普通に見られます。秋に熟すコブシの実は人の握りこぶしのようにごつごつと していて、その中に赤い実がぶつぶつと顔を出している様子はかなり異様で、一度見ると 忘れられません。 コブシの名前も、この握りこぶしから来たとか、きっと「北国の親父」のげんこつなんでしょうね (いたそう)。 で、コブシと後に述べるハクモクレンの違いですが、わかってみると単純です。 まず、コブシは花弁が6枚、それに対して、ハクモクレンはやはり花弁が6枚(当然同じです、 同じ仲間ですから)。 ですが(ここがポイント)、ハクモクレンには花弁状の白色のガクが3枚あり、 パッと見には花弁が9枚のように見えます。 また、花弁の形も、コブシでは細くて少しへなへなしているのに対して、 ハクモクレンでは幅が広く、花全体がボリューム感があります。 次のハクモクレンの写真と比較すると、その違いがよくわかります。


ハクモクレン(白木蓮) もくれん科。落葉高木。
木蓮(白木蓮に対して紫木蓮ということがあります)の白花種と言いたいところですが、 二つは異なる種です。 季節的にも、ハクモクレンは3-4月(桜の前)に咲くのに対して、 モクレンは少し遅れて5月ごろに咲きます。 コブシのところでも述べましたが、ハクモクレンのほうが花が豪華というか、 華やかです。だからこそ、北国の春には、ハクモクレンではなくって、コブシなのかもしれません。 逆にハクモクレンは、新宿御苑のような立派な洋風庭園においても決して 位負けしない王侯の風格があります。 掲載のハクモクレンの写真、自慢の作品です。というのも、もくれん科は多くが高木で、 花が木の上の方に付き、さらに上向きに咲くので、花姿をアップで撮るのにはそれなりの工夫、 努力が要ります。


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