春を告げる花木(12/4/9)
サンシュユ/レンギョウ/アセビ
花粉症で屋外作業をしたくなかったのと、今年の春の寒さで、
更新まで一月過ぎてしまいました。
でも、岐阜大学ではようやく桜が開花したばかり、
3月の花木もまだ真っ盛りです。
サンシュユ(山茱萸) みずき科。
落葉高木、早春(普通は3月中旬くらい)に、葉に先だって黄色い花を全面につけます。
何といっても、街で見かける春を代表する花木です。
以前に訪れた奈良公園では春の日差しの中にこの花が一面に咲いていて、
この花の下での「平安の宴」を夢想しながら、座り込んで一人でビールを飲みました。
この花を見ると、「黄金の花が咲く」というネーネーズの歌を思い出しますが、
こちらの黄金の花は、「いつか散る」ではなく、毎年華やかに咲いてくれます。
サンシュユはハナミズキと同じみずき科なので、紅葉とともに赤い実をつけます。
この果実(偽果)は山茱萸(やまぐみ)と呼ばれ生薬となり、江戸時代に漢方薬として
導入されましたが、今では観賞用に庭や公園に植えられることが多いようです。
花の名前「サンシュユ」は、漢名をそのまま音読みしたとのことです(何と安易な!)。
でも、「さんしゅゆ」なんて、なんとなく「和名」ように優しくきこえませんか?
ところで、「偽果」ですが、これは花にある「子房」以外の部分が「果実状」に
なったものを言うそうで、リンゴや苺も偽果だというのですから、
難しいことを言わずに果実でいいですよね。
レンギョウ(連翹) もくせい科。
春に枝一面に黄色い花を咲かせます。こちらは落葉低木、刈り込みに強いので公園の垣根などにも
よく使われます。学名suspensaとあるように、枝が枝垂れてこんもりとした半球状になります。
これも中国原産で、薬用として渡来したと言われていますが、中国で「連翹」とは、
トモエソウ、オトギリソウなどHypericumを指し、全く別種です。
ところが、昔「現在のレンギョウ」のタネを誤って漢方の「連翹」として売ってしまったため、
日本ではこちらがレンギョウとして定着したとのことです。
ちなみに、レンギョウの中国名は黄寿丹だそうです。
実は、中国から日本に伝わったときに、名前が間違われた植物はレンギョウ以外にも
数多くあります。
たとえば楓(かえで,ふう)、欅(けやき,きょ=クルミ)など。
だって「遣唐使」の時代に、あの漢文で書かれた説明を見て推測するのですから、
当然と言えば当然でしょうね。
ちなみに、Hypericum(ヒペリカム)の仲間は黄色の花をつける落葉低木で、
やはり公園などに良く植えられています。昔の人が間違ったとしても、
そんなにデタラメではないのです。
ところでこの連翹、智恵子抄で有名な高村光太郎が愛したとか、
彼の命日は「連翹忌」と呼ばれています。
そう思うと、何気なく見すごしていた連翹にも風格が感じられそうな。
アセビ(馬酔木) つつじ科。
アセビは日本の山に自生する常緑つつじです。
岐阜周辺の低山にも(金華山にも)たくさん自生しています。
公園では、低木のように扱われていますが、山地では樹高4-5mにもなる巨木を見かけます。
花色は多くは白色ですが、ピンク色の園芸品種(?)もよく見かけます。
葉にグラヤノトキシンという有毒成分を含むため、これを食べた馬が「酔う」ということで
馬酔木と書きます。
奈良公園には馬酔木がたくさんありますが、これは鹿がこの木を食べないからだということです。
岐阜大学には鹿はいませんが、なぜかアセビがたくさん植えられています。
アセビが多くある山地は草食動物が多いとありますから、きっとそうなのかもしれません。
個人的には、公園でみるよりは山で見る方が好きな木です。
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