キンモクセイ(金木犀) もくせい科。花のことは詳しくなくても、
この香りだけは知っているという方も多いと思います。
春のソメイヨシノに対抗して、秋の訪れを教えてくれるのが
金木犀です。ある日突然、懐かしい香りがーそれとともに、
忙しくて気づかなかった季節の移ろいに驚かされます。
そう、金木犀はある日、抜けるような青空の下、突然現れます。
そうして、未練もなく突然消え去ります。
昔の人はソメイヨシノの潔さをやまと心に例えましたが、
金木犀もそれに負けてはいません。
咲き始めたと思ったら、1週間も経たないうちに消えてしまいます。
それも全ての木が一斉にー早熟も晩生もありません。
でも、それには理由があります。
(日本にある)金木犀は全て雄木なので、種をつけません。
したがって、繁殖は全て挿し木でなされます。
その結果、日本にある全ての金木犀は同一の遺伝子を持つクローン
になったのです。
これが、全ての木が一斉に花を咲かせ、散っていく理由です。
(実は、ソメイヨシノもこの点では全く同じです。)
生物の多様性の大切さを実感していただけたでしょうか。
と、ここまではいろんな本に書かれているのですが、でも
皆さん疑問に思いませんか。なぜ、日本には雌木は無いのだろう。
世界がグローバル化した時代、どこかの物好きが
雌木を手に入れて、実生の金木犀をなぜ作らないのだろうかと。
ひょっとしたら、もっと良い香りの金木犀ができるかもしれないのに。
皆さん、どう思いますか?
私の推測は次のものです。
たとえ雌木を手に入れて種を作っても、
今の金木犀に見合うものはできないだろうと。
我々が金木犀に出逢えたのは、本当に偶然だったのです。
(これは単なる推測です。あまり信用しないでください。)
イヌマキ(犬槇) まき科。今回はちょっと気分を変えて、珍しい木の実です。 葉は少し幅広ですが、平行脈、針葉樹の仲間です。 イヌマキは雌雄異株で、これは雌木です。実は、串団子のようになっていて、 先頭の緑色の丸いのが種子、その下の赤いのが「果托」というのだそうです。 実は有毒ですが、赤い果托は甘くて食べられます(食べて確認しました)。 イヌマキは、胎生種子といって、樹上にあるときから芽を出すことがある、 とあります。胎生種子ではマングローブが有名で、樹上で長い根を伸ばしているのを 見たことがある方もいらっしゃるかも。 でも、マングローブは、海の中に種が落ちるので、 早く根を出したいのは分かるのですが、 このイヌマキは何の目的でそんなことをするのだろう、と思ってしまいます。 で、この写真の紐のようなものがくっついているの、ひょっとしたらそれかなと 思うのですが、自信がありません。どなたか教えてください (そのとき気づけば確認できたのですが、残念)。 とにかく、いろんな点でユニークな木なので紹介してみました。