季節の花(11/9/29)

今が「旬」の岐大の花をお届けします。秋空の下を散歩して、見つけてください。
ヒガンバナ/キバナコスモス/タマスダレ

ヒガンバナ(彼岸花) ひがんばな科。皆さんご存知、秋のお彼岸に律儀に咲くので 彼岸花です。特に、昔はお墓などの周りによく植えられていたので、死に結びついた 不吉なイメージがあります。これは、植物全体が有毒なため、子供が食べない (昔の子供は何でも食べたんです)ように、ということで大人たちが意図的に 流布させたのかもしれません。 昔は田んぼの畦(あぜ)などによく植えられていたのですが、 「圃場整備」によって、めっきり少なくなり、むしろ河川敷などに群生していることが 多いようです。あんなに草が生い茂っているところで、よく負けずに…と思いますが、 それには理由があります。 秋、花が咲く時期には葉はありません。冬になって、周りの草が枯れるころに 葉を伸ばしはじめ、冬の日差しの中で成長し、春他の草が生い茂るころには 葉は枯れてしまいます。他の植物と生育時期をずらすことで、したたかに 生きているのです。 ところで、このヒガンバナ、3倍体とかで、種ができません。ということは、 自分では繁殖地を拡大できませんから、全て人手によって増やされてきたということになります。 でも、一旦適地に植えられれば、自分で増殖はできますから、雑草と園芸植物の中間 というところでしょうか。

キバナコスモス(黄花コスモス) きく科。普通にコスモスといわれている オオハルシャギク(そんな名前だったんだ)とは別種です。 ちなみに、植物学で「種(しゅ)」とは、「自然環境では交配しない」だそうです。 でも、この「自然環境」が曲者で、実際に交配して子孫を残せる程度の 変異体でも、地域的に隔離されていると、「自然には交配しない」という ことで別種にしたりします。単に植物学者が種(しゅ)を 増やしたいだけのような(笑)。 ともかく、これは一般的な「コスモス」とは葉の形も違い、ちゃんと別種です。 コスモスよりも逞しく、一度種を蒔けば後はこぼれ種で毎年生い茂ってくれます。 その意味で、雑草化しているという面もあります。

タマスダレ(玉簾) ひがんばな科。如何にも日本古来の植物らしい名前を持っていますが、 意外と明治以降に伝来したペルー原産の園芸植物です。でも、真っ白で清楚な花姿は 何となく古い民家の片隅にマッチして、誰が考えたのか玉簾という名も頷けます。 昔の人は、このような情緒ある名前を考えられたのに、 いまの人は語彙が貧弱ですよね。 キバナコスモス、ヒロハルコウソウ、など、立派に独立した花なのに、 何か「お前はまがい物だ」と言われているようで悲しいですよね。 で、これは彼岸花の仲間ですが、ちゃんと種もでき、実生で繁殖します (一度挑戦してみようかな)。


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