クマツヅラの仲間(12/6/26)

クマツヅラ、といわれても馴染みがないと思いますが、 バーベナの名前で園芸店で売られている花の仲間です。 クマツヅラは日本に昔からある種ですですが、ヤナギハナガサ、 アレチハナガサは帰化植物です。 この3種は花がよく似ていて、花の写真からでは区別が難しいです。 皆さん、見かけたら、よーく比較してみてください。 今まで同じように見えていたものが、少しでも違って見えるようになれば、 雑草愛好家入門です。
クマツヅラ/ヤナギハナガサ/アレチハナガサ


クマツヅラ(熊葛) くまつづら科。
花は写真で見ると分かるように、布袋さんが鉢巻をしたように、 長い花穂に一箇所だけリング状に花をつけます。 この花穂を伸ばしながら、順々に花を咲かせることで、 いつまでも花を咲かせ続けます。花は草丈に比べて小さく、 お世辞にもきれいというわけにはいきませんが、近寄ってみると一個一個はちゃんと バーベナの形をしています。花穂を伸ばした姿はさわやかで、 ワレモコウのようにわび・さびを感じさせてくれると思うのですが、 今ひとつ人気がないようです。 葉はバベンソウ(馬鞭草)という生薬として、通経・黄疸や下痢の薬として利用されるそうです。 クマツヅラの名前の由来は不明です。一説には、「米つづら」の訛ったものとあります。 「つづら」もほとんど死語ですが、葛や竹で編んだ籠のことです。 で、クマツヅラ、花穂が長いため、葉と花を写そうとすると、 全体が小さくなってしまうため、ここでは花だけの写真を採用しました。


ヤナギハナガサ(柳花笠) くまつづら科。
葉が柳のようで、花が「花笠」のようだというのでヤナギハナガサ、 そのままの名前わかりやすいですね。南アメリカ原産の帰化植物ですが、花がきれいなので、 最初は園芸植物として導入されたのが、逸出したものと考えられています。 今回取り上げた3種の中では一番きれいですが、残念ながら、 岐阜大学で至る所に見られるというわけではないようです。 この写真も以前に写したもので、残念ながら今年はまだ大学内では見かけないようです。
クマツヅラとヤナギハナガサとの判別のチェックポイントの一つが葉で、 クマツヅラは葉に菊の葉のような切れ込みがあるのに、 ヤナギハナガサの葉は柳のように切れ込みがありません。 また、花は花筒がヤナギハナガサではクマツヅラに比べて長く、 色も少し濃いようです。 よりわかりやすいのは、見かけ上の違いとして、クマツヅラの花序が細長いのに対して、 ヤナギハナガサはアジサイのように丸くなる感じです。


アレチハナガサ(荒地花笠) くまつづら科。
ヤナギハナガサの類似種で荒地に生えている、というのでアレチハナガサすが、 荒地だけではなく至る所に生えています。 花穂を伸ばしながら次々と咲いていく点はどちらかと言えば、 クマツヅラに似ているのですが、花は花穂の頂部にあるところが異なります。 花序を横から見ると、クマツヅラが先端がとがったスマートな楕円形で 側面に花が咲くのに対して、アレチハナガサの方は寸胴の円筒形で、 その先端に花が咲くので見た印象はかなり異なります。 葉はヤナギハナガサに似て、切れ込みのない柳型です。 疎らにしか花を咲かせないので、ちょっと見には枯れているようにも見えます。 そのためか、アレチハナガサが群生しているといかにも荒れた感じがして、 駆除したくなります。 近ごろこの3種のなかでは、一番個体数を増やしているのではないかと思います。


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