水辺の花(12/6/1)
夏ですので、水辺の花を取り上げます。
岐阜大学で水辺といえば丸池ですが、その他にも丸池に続く
用水路などにもいろんな花が咲いています。
キショウブ/カキツバタ/コウホネ/スイレン
キショウブ(黄菖蒲) あやめ科。
これはそのものずばり、黄色い菖蒲なのでキショウブです。
奇麗な花で、園芸植物として公園に植えられていて何も違和感は
ありませんが、外来生物法で要注意種に指定されている、
ヨーロッパ原産の帰化植物です。
川や溝、堀、用水路など常時浅く水があるような湿地、冠水域に生育しています。
これも、新堀川の河原(冠水域)に生育していたものを写しました。
岐阜大内のあちこちの用水路にも生育していますが、
カメラアングルが取りづらく、掲載は新堀川のものにしました。
ちなみに、新堀川と言っても、本部と医学部の間なので、
大学構内と同じ扱いにしてください。
で、このキショウブ、非常に繁殖力が強く、
在来種を保護するため「栽培にあたっては、
逸出を起こさない」ことが義務化されています。
湖沼におけるブラックバス的存在です。
でも、花は本当に美しく、適切に管理すれば利用価値の高い
花だと思うのですが、「種の保護」というのは難しい問題ですね。
カキツバタ(杜若) あやめ科。
ほとんど、キショウブの紺色品種と言ってよいくらいですが、
日本に昔から自生していた唯一の「菖蒲(しょうぶ)」です。
かの業平の「からころも...」の歌があることからも、
平安時代から人々に愛されていたのでしょう。
ちなみに、「からころも」の場所は三河国八橋(現在の知立市八橋)だそうです。
東海地方には昔からカキツバタが多く自生していたのでしょうか。
ところで、「いずれあやめかかきつばた」といって、見分けにくい代表の
ように言われますが、
菖蒲(あやめ)は山野に生育し、水に浸かるようなところには生育しません。
ハナショウブは水辺に育ちますが,基本的には園芸種です。
また、花は大型で、色も豪華というか、多色刷りのものが多いです。
実は、写真が本当にカキツバタなのか、花に近づけないので
よくわからないのですが、「他に考えられない」ので、
カキツバタにしておきます。カキツバタの園芸種かもしれません。
コウホネ(河骨) すいれん科。
日本に昔からある、すいれん科の水生植物です。
根が白く「骨」のように見えるので、河骨と書いて
コウホネです。浅い沼、小川、田の側溝などによく見られます。
金華山の麓の達目洞(読めます?「だちぼくぼら」です)
は天然記念物「ヒメコウホネ」の自生地として
有名です。私もその季節に見に行きましたが、コウホネの小さく
なっただけのような気がして、あまり有りがた味を感じませんでした。
でも、その一帯はまるで「トトロ」の世界のよう、異次元に取り残された
貴重な空間が広がっています。一度は、行ってみられることをお勧めします。
で、コウホネですが、昔は「浅い沼、小川、田の側溝」のような
自然環境がどこにでもあったのですが、近頃はそのような環境自体が
少なくなり、コウホネを見ることもほとんどありません。
岐阜大学では丸池全体を覆ってしまうほどで、
決して軟弱な植物ではないのですが、環境変化には勝てないようです。
現在では、コウホネは保護を目的に意図的に作られた「自然環境」以外では、
なかなか見られなくなりました。
これは「ホタル」も同じですね。
私は、SF「電気羊」の中で、主人公が野生生物のカタログを持ち歩いて
いたのを思い出してしまいます。
1968年の刊行であることを考えると、ディックは下手な環境保護主義者より、
遙かに鋭く未来を予想していたのですね。
スイレン・園芸種(睡蓮) すいれん科。
スイレンとは、スイレン属の花の総称で、水性多年草です。
日本では、庭園や公園の池などで様々な園芸種が栽培されています。
モネの睡蓮もおそらくスイレン属の園芸種でしょう。
睡蓮の名前は、眠るハスですが、これはスイレンの花が昼間は
開いて、夜は閉じることによります。
園芸種以外に、日本ではヒツジグサ(羊草)が唯一自生のスイレン
として存在します。
花は白色、この写真の園芸種よりも、少し小さめかと思います。
なお、スイレンとハスとは属(種と科の間の分類)が異なります。
と書いて確認したら、今ではハスははす科として独立させているようです。
でも、牧野図鑑ではすいれん科になっていました。
で、ハスとスイレンの違いですが、
スイレンは水面に「浮かんで」いるのに対して、ハスは
水中から「立ち上がる」と思えば、大体間違いないでしょう。
お寺などに、大きな甕に植えられているのは、ハスのはずです。
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