オオフサモとブラジルチドメグサ―特定外来生物2種(12/7/23)
(オオフサモ、ブラジルチドメグサ)
オオキンケイギクで話題になった特定外来生物ですが、岐阜大学構内では他に2種が
生育しています。このホームページのタイトルが「岐阜大学の花々」なので、
花が咲いたところを紹介しようと思っていましたが、
今のところ両者とも花を咲かせそうにありません。
しかしながら、両者とも非常に危険な、すなわち繁殖力が強く、生態系に様々な影響を及ぼす
可能性のある植物であり、一切の栽培、移動が禁止されているものですので、
注意喚起を含めてとりあげます。
大学では、ネットワーク上のウィルスなどには極めて神経質ですが、
実際の生態系のなかでの「危険生物」にはあまり関心がないように見えます。
ちなみに、「特定外来生物」とは、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」
により、その飼育・栽培、保管、移動などが禁止されている生物で、植物では12種が指定されています。
違反者に対する罰則は、最大3年間の懲役・300万円の罰金(個人)、
もしくは1億円の罰金(法人)と極めて重いものです。
(オオフサモ/ブラジルチドメグサ)
オオフサモ(大房藻) (ありのとうぐさ科)。
聞きなれない科の名前ですが、もともと日本に自生する種はありません。
オオフサモは南アメリカのアマゾン川が原産地で、水槽用水草として導入されたものが逸出したものと
考えられています。特定外来生物に指定されており、また日本の侵略的外来種ワースト100の
一つでもあります。雌雄異株で、原産地以外では雌株のみが見られます。
花期は6月とありますが私は花を見たことがありません。
岐阜大学では、唯一の小川、丸池川に繁殖しています。3年位前に初めて見かけた気がしますが、
いまは小川全体を覆うように繁茂しています。種ができないので、繁殖はすべて栄養生殖
(繁殖)-根や茎がちぎれて水流によって流され、
川下で着床、繁茂すること、によります。
駆除をするためであっても、安易に草刈りをすると、その切れ端で分布を拡大してしまう恐れがあり、
そのような行為も禁止されています。不幸にして岐阜大学では、
そのような安易な草刈りがしばしば行われ(実はこの写真を撮った直後にも刈り取られて、
残骸が放置されていました)、繁殖地がすでに下流の丸池の入り口近くまで達しています。
ブラジルチドメグサ(ブラジル血止め草) せり科。
こちらも南アメリカ原産で、やはり水槽用水草として持ち込まれたものと考えられています。
これも、特定外来生物として一切の栽培、繁殖、移動が禁止されています。
春から初夏にかけて、小さな花をつけるとありますが、私はまだ花を見たことはありません。
草丈は小さい、というか水面に浮いている感じですが、非常に繁殖力が強く、
瞬く間に水面を覆い尽くしてしまいます。繁殖は、水面近くを匍匐枝を伸ばして広がっていくのが
基本ですが、ちぎれた草片が流れていくことで、繁殖域を下流に広げていきます。
安易に除草をすると、草片が飛散して分布を拡大する手助けになるので、
そのような行為も禁止されています。金魚鉢の水草に、と思えるようなかわいさですが、
安易な取り扱いは危険です。
丸池滝に生い茂るオオフサモとブラジルチドメクサです。
両者とも、丸池川で見られるようになったのは、この2,3年のような気がします
(私が気付いていなかっただけかも。自信はありません。)。
彼らはどのような経緯で丸池川で繁殖するようになったのでしょうか。
どなたかが、不注意に、(もしくは意図的に?)持ち込んだものと思われますが、
一度定着してしまうと、両者とも駆除が極めて困難な植物です。
私自身は、特定外来生物法を必ずしも「錦の御旗」と考えているわけではありません。
ブレードランナー(原作:アンドロイドは電気ヒツジの夢を見るか)の中に出てくる、
アンドロイド狩りを思い起こします。アンドロイドには罪はないのですが、
無法図に「生産」されている以上、「駆除」するしか社会秩序を維持する方法がない、
というのが映画での設定でした。
そのような「規制」に主人公は疑問を抱くようになるのですが…。
特定外来生物についてはどうなのでしょうか。
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