落ち穂拾いその2(12/10/29)
だんだん紹介できるものが少なくなってきました。
今までは、テーマを決めてというゆとりがあったのですが、なかなかそうもいきません。
今回は有名な山野草一つと、ありふれた、でも目立たない雑草2つです。
ホトトギス/イヌホオズキ/ハナイバナ
ホトトギス(杜鵑草) ゆり科。
鳥の場合は「杜鵑」でホトトギスですが、
こちらは「杜鵑草」と書いて、ホトトギスです。ホトトギスソウではありません。
花の斑紋が鳥のホトトギスの胸の羽に似ているからというのですが、どうでしょう。
でも、花の方はこの斑紋が個性的で「野趣」があり、山野草の代表格
として和風庭園などによく栽培されています。この写真の花も、もちろん野生ではなく、
人手で植えられたものだと思います。でも、あまり手入れされている様子はなく、
放任されているのでしょうが、環境が適しているのか元気に育っています。
実はホトトギスと呼ばれる花には幾つかの種があり、
全体でホトトギス属(Tricyrtis)を構成します。
ホトトギス属は東アジアに19種が分布し、うち13種が日本に、
さらにそのうち10種が日本固有種ということで、日本がホトトギス属の
原産地だと言われています。
ホトトギス属には花が黄色のもの、白色で斑紋のないものもありますが、
花姿が個性的で、すぐにそれと分かります。園芸種も作られており、
この写真も園芸種かも知れず、正確に種名を確定するのは私にはできません。
素人愛好家にはこれらを一括してホトトギスで十分でしょう。
写真のような赤斑の入ったホトトギスは、山野でそれほど珍しい花ではなく、
あちこちで見かけます。それ以外の固有種については、山野草としての人気が高いため、
自生地では盗掘が多く、それらの多くが絶滅危惧種に指定されています。
確かに珍しい花を持ちたい気持ちはわかるのですが、
そのような需要が自然を破壊していると考えると、
「山野草ブーム」には危険が潜んでいます。
イヌホオズキ(犬酸漿) なす科。
ホオズキに似ていて、役に立たないからイヌホオズキです。こちらは、
駆除しても次々と生えてくる生命力旺盛な雑草です。
岐阜大学では、たび重なる草刈りにも耐えて、至る所に花を咲かせています。
実は、私のベランダの鉢植えにも今年芽を出して、今では立派に緑の実をいっぱいに付けています。
どのような経路で種が私の植木鉢に辿り着いたのでしょうか。
植木鉢に鳥が運んできたのだとしたら、、、うれしくなりますね。
話を戻して、花の形は以前に紹介した「ヒヨドリジョウゴ」にそっくりです。
でも、ヒヨドリジョウゴはつる性で実は赤く熟すのに対して、
イヌホオズキは20-50cmくらいの草丈で、実は熟すと黒くなります。
イヌホオズキの仲間には、イヌホオズキ、オオイヌホオズキ、
アメリカイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキがあり、「分類は難しい」
とあるので、今回は分類をあきらめます。岐阜大学にも、確かに違う種類かな、
と思えるものがいくつかあるので、サンプルが集まったら分類に挑戦したいと思います。
ハナイバナ(葉内花)むらさき科。
道端や畑などに普通に見られる雑草ですが、あまり知られていないのではないかと思います。
草丈は10cmくらい、地面を這うように広がっています。
花はワスレナグサとそっくりの形で、直ちにむらさき科と分かります。
でも、花は直径が2mm程度とキュウリグサよりもまだ小さく、
その上まばらに花をつけるだけなので、全く目立ちません。
以前に「西の魔女」でキュウリグサを「ヒメワスレナグサ」と呼んだという話をしましたが、
そうするとこれは、チゴワスレナグサと呼ぶのでしょうか。
ところでハナイバナの意味ですが、花軸が極端に短いため、
葉の中に花があるという意味で「葉内」花です。
昔の人は、こんな小さな花でもしっかりと特徴をとらえた名前を付けていたなんて、
感心してしまいます。
とにかく、とても小さい花で、遠目にはハコベとも似ていて見逃してしまいます。
至るところにあるので、一度探してみてください。
(14/4/27)多数の花に咲いているのに写真を差し替えました。
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