初夏を代表する花木2(12/6/7)

今回紹介する花木も、この季節にしか咲きません。 この花を見ると、「もうそんな季節なのだ、少し前に 桜が咲いていたのに」、と 季節の移り変わりの早さを嘆くことになります。 「熟年ますます老い易く、学いよいよ成り難し」です。
トベラ/シャリンバイ/タイサンボク


トベラ(扉) とべら科。
常緑の低木で、潮風や乾燥に強く、海岸の防風林などとして植えられ、 また自生しています。とべら科とあるように、独立した科を構成し、 類似種がなく個性的です。雌雄異株とありますので、写真はどちらでしょうか。 雄蕊がちゃんとあり、雌しべが目立たないので、たぶん雄花だと思います。 確認しておきます。秋に実が熟すと裂けて、赤く粘着性のある種子が よく目立ちます。個人的にはそれほど「きれい」とは思えないのですが、 結構庭木として観賞用に植えられています。 私は公園樹としてより、海岸沿いの群落の方がこの木には 似合っているような気がします。トベラの名前の意味ですが、 この木を折ると悪臭があるため、節分の「鬼よけ」として鰯の頭と共に 使われるので、「扉の木」だそうです。



シャリンバイ(車輪梅) ばら科。
常緑低木。日本にも自生していますが、多くは庭木として 植えられたものです。名前の由来は、葉が車輪のように「輪生」 しているからとか。写真でも、枝の先端の葉がロート状に なっているのが分かると思います。 花は5弁で白色、中心の雄蕊のあたりが紅をさしたよううっすらと 赤くに印象的です。 確かに梅に似ている、と言えばそうですが、 少し乱雑で品がなくお転婆娘の印象です。 種は秋に熟して、赤紫―黒色になりますが、 こちらはあまり目立ちません。ですから、花の季節に初めて シャリンバイがあったのだ、と気づくぐらいです。 奄美地方では、樹皮を煎じたものが大島紬の染料として利用される、とあります。


タイサンボク(泰山木) もくれん科。 常緑高木、樹高は2-30mにもなり、泰山木の名前が良くマッチします。 名前が泰山木(なぜか「たいざん」なのに、タイサンボクです)なので、 中国原産かと思っていましたが、北アメリカ原産の花木です。 たぶん、日本で見られる唯一のもくれん科の常緑樹ではないかと思います。 アメリカ南部では、マグノリアで知られており、非常にポピュラーな木で、 ミシシッピー、ルイジアナ州の州花になっています。 アトランタに行ったときにも至る所にこの木がありました。 ちょうど日本におけるさくらの木のような存在です。 映画「マグノリア」のマグノリアもこの木のことですが、映画を見た記憶はあるのに、 この木がどう関係していたのか、記憶にありません。 映画では、むしろ「スティールマグノリア」の方が、 この木のようにどっしりと安定感のある女性を描いた作品で、 この木のファンにはお勧めです。写真のようにきれいな花なのですが、 花持ちが悪いこと、高木なので花を下から見上げる形になり、 写真のようなアングルが難しいのが欠点です。


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