秋の伊吹山(06/9/23)

秋(06/9/23)に伊吹山に登った時に出会った花々です。 これで、とりあえずは真夏以外は伊吹山は完了です。 残念ながら、真夏には伊吹山には登っていません。何となく暑そうで…。
(ナンテンハギ/ミツバベンケイソウ/リンドウ/サラシナショウマ/ ミヤマアキノキリンソウ/エゾシオガマ/シオガマギク/クルマバナ/ ワレモコウ/コイブキアザミ/テンニンソウ/トリカブト/ ヒヨドリバナ/ツリフネソウ)


ナンテンハギ(南天萩) まめ科。
山林原野に生える多年草です。葉は2枚小葉の複葉が互生します。 葉が南天に似ているからナンテンハギですが、そう言われれば、という程度です。 飛騨地方では、若芽を小豆菜(アズキナ)と呼び食用にするため栽培されています。 小豆菜の名前は、若芽を煮るとアズキに似た匂いがすることによります。 全草を乾燥させて飲むと、めまいや疲労回復に効果があるとのことです。


ミツバベンケイソウ(三つ葉弁慶草) べんけいそう科。
全国の山地草原、露岩の多い林中に生える多年草です。 葉はベンケイソウ特有の肉厚葉で、3枚が輪生しています。 夏から秋に咲く花は、5弁の白色花が多数密集しています。 茎は分岐せず直立し、草丈30-60cmになります。


リンドウ(竜胆) りんどう科。
本州以南の湿った山野に見られる多年草です。 ○○リンドウ、というのが多数ありますが、これは何もつかない「リンドウ」で、一つの種です。 花は太陽が出ているときのみに開きます。 園芸店でリンドウとして販売されているのは、多くは改良された園芸品種です。 根を乾燥させたものは竜胆(りゅうたん)と呼ばれ、生薬として利用されます。 名前の由来は、熊胆(のうたん)より苦いので竜胆、和名のリンドウは、それが訛ったものです。


サラシナショウマ(更科升麻) きんぽうげ科。
山中の林床、または山中の草地に生える多年草です。 葉には悪臭があり、サラシナの名前は若芽を茹でて水にさらして食べたことによります。 生薬として利用される升麻は、本種または同属の根茎を乾燥させたもので、 解熱・解毒などの効用があります。 近縁種に○○ショウマが多数あり、私には判別ができませんが、 伊吹山にあるのはサラシナショウマと現地の看板にあるので、それに従いました。


ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草) きく科。
本州中部以北の亜高山〜高山帯の草地に生育する多年草です。 低地にあるアキノキリンソウが長い茎の先端にまばらに花をつけスマートな感じなのに対して、 こちらは低い草丈の割に大きな塊の花穂が目立ちます。 名前はベンケイそう属の黄色い花をつけるキリンソウに見立てて、 秋に咲くキリンソウとしたものですが、ごしゃごしゃとした花つきの感じは、 どちらかと言えばアキノキリンソウではなく、ミヤマアキノキリンソウに似ています。


エゾシオガマ(蝦夷塩釜) ごまのはぐさ科。
本州中部地方以北の高山帯の草地に生育する多年草です。 花は横向きにねじれた形で、花穂の下から順次咲いていきます。 シオガマギク属には、シオガマギク、ヨツバシオガマをはじめ、 多数の種が各地に分布しています。 多くが赤〜紅色の花をつけるのに対して、本種は白色の花をつけます。 伊吹山では山頂付近に多くあるようです。


シオガマギク(塩釜菊) ごまのはぐさ科。
全国の山地の草地の生育する多年草で、半寄生植物です。 花は葉の脇に横向きに咲きます。シオガマの名前の由来ですが、 Wikiには謡曲「松風」で「浜で(はまで)美しいのは塩竈」とあるのを、 「葉まで(はまで)美しいのは塩竈」と洒落てシオガマギクとしたとあります。 確かに、シオガマギクの仲間はそれぞれ独特の葉が美しく、 貧弱な(と私は思うのですが)花を補って余りあるものです。


クルマバナ(車花) しそ科。
全国の日当たりの良い草原に生える多年草です。 茎は直立して20-80cmになり、枝先の花穂に数段になって唇形の小さな(6-10mm)花を輪生します。 クルマバナの名前は、花が輪生する様子を車に例えたのでしょう。 花穂の萼の部分が赤く見えるのが本種の特徴です。 近縁種にヤマクルマバナがありますが、花色が白〜薄いピンクであること、 愕が緑色であることで区別できます。


ワレモコウ(吾亦紅) ばら科
以前「環境楽園(13-10-26)」の所で紹介しましたが、自生しているのは初めてなので掲載します。 解説はそちらをご覧ください。ワレモコウだけではないですが、近頃は「荒地」 ではない草原と呼べる場所が少なくなってしまいました。 土手など草原となりうる場所も、定期的な草刈りによって、 多年草には生きづらい場所になっています。その結果 今では、根こそぎされても地下で生き残れる多年性雑草と、 短いライフサイクルで草刈りをかわすことのできる一年性雑草ばかりが目立ちます。 ゆっくりと成長するタイプの野草は、どんどんと生育域を狭められています。


コイブキアザミ(小伊吹薊) きく科
伊吹山の山頂草原のみに自生する多年草です。 普通のアザミとはかなり違って、小さな頭花を多数つけて、 全体としてごしゃごしゃとした感じです。 なぜ、この花が伊吹山上場付近にだけあるのか、よく分かっていません。 信長により伊吹山が薬草園として整備されてから高々400年です。 その間に新しい種に進化したのでしょうか。それとも、かつては広くに分布していたのが、 伊吹山を除いて絶滅したのでしょうか。いずれにしても不思議な植物です。 類似種にイブキアザミというのがあり、伊吹山地と鈴鹿山地北部に生えるとあります。 コイブキアザミと他種との雑種考えられています。


テンニンソウ(天人草) しそ科。
全国の山地の日陰に群生する多年草です。草丈は50-100cmで、茎の先端に花穂をつけ、 薄黄色の唇形花をつけます。しそ科には珍しく、雄蕊と雌蕊が花弁から大きく突出しているので、 花穂全体がブラシのように見えます。日本の固有種です。 名前の由来ですが、あるHPに「葉がコガネムシ類に食い荒らされてぽろぽろになる様子を天人の羽衣 (破衣)に譬えた」とありますが、本当でしょうか。花の割には、優雅な名前です。


トリカブト(鳥兜) きんぽうげ科。
山地の草原などに自生する多年草です。実はトリカブトというのはトリカブト属の総称であり、 日本に約30種のトリカブト属が自生しています。 でも、牧野図鑑にはトリカブトとしてAconitum chinenseが掲載されています。 どちらかと言えば、写真はヤマトリカブトA. japonicumかとも思うのですが、 私にはとても判別できません。 ちなみに、北村図鑑では40種近くのトリカブト属が紹介されていて、 A. japonicumはオクトリカブトになっています。 素人は、トリカブトでよいことにしておきます。 全草有毒で、特に塊根は猛毒で附子(ぶし)と称して薬用に用います。 また、古くから毒矢に塗る毒として用いられてきました。 新芽も有毒であり、誤って山菜として利用して、しばしば中毒を起こします。


ヒヨドリバナ(鵯花) きく科。
日本の本各地の山地の草原、山道端、渓流沿いなど日当たりの良い場所に生育する多年草です。 フジバカマも同じヒヨトリバナ属(Eupatorium)で、本種はシロフジバカマと言ったところです。 なお、フジバカマの葉は3裂するのに対して、ヒヨドリバナは長形です。 名前の由来ですが、牧野に「鵯のなく頃に花が咲くので」とあります。 近縁種のサワヒヨドリは、花色が薄紫で、葉はヒヨドリバナよりも細めです。


ツリフネソウ(釣舟草) つりふねそう科。
全国の山地のやや湿った場所に自生する一年草です。 個性的な花姿で一度見ると忘れられません。 ツリフネそう属(Impatiens)には、赤紫色の花をつける本種と、 黄色い花をつけるキツリフネが多く見られます。 キツリフネに対して本種をムラサキツリフネと呼ぶこともあります。 同属の園芸品種には、ホウセンカや、インパチエンスとして販売されている アフリカホウセンカがあります。


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