平湯ー乗鞍09-8-15(13/07/30)
平湯から乗鞍に自転車で登った時に沿道で出会った花々です。
季節も8月中旬で、立山7月とはほとんど重複がありません。
掲載種:ヒヨドリバナ/メタカラコウ/ウメバチソウ/
ウサギギク/テガタチドリ/ヨツバシオガマ/コマクサ/
ハンゴンソウ/クサボタン/ホタルブクロ/カニコウモリ/
オヤマリンドウ/サラシナショウマ/イワギキョウ/
ソバナ/アカソ/トリアシショウマ/ミヤマアカバナ/
シシウド/ウスユキソウ/ヤマハハコ/アキノキリンソウ/
コバイケイソウ/ノリウツギ
ヒヨドリバナ(鵯花) きく科。
山地に生える大型の多年草で、草丈は1-2mになります。の本各地の草原、渓流沿い、
林縁など日当たりのよい場所を好みます。花の名前は、鵯(ヒヨドリ)が山から下りてくる頃に咲くから、
とあります。花期は8-9月です。花色は薄いピンクで、
同属のフジバカマに似ていますが、フジバカマは葉が大きく切れ込み3裂するのに対して、こちらは
そのようなことはありません。類似種にサワヒヨドリ、ヤマヒヨドリ、ヨツバヒヨドリなどがありますが、
花や葉の形で区別できます。
メタカラコウ(雌宝香) きく科。
大型の年草で、山地のやや湿った草地、林縁などに自生します。
フキの葉のような根出葉を広げ、その中から60-100cmにもなる花茎を出して多数の花をつけます。
同属のオタカラコウとよく似ていますが、個々の花の舌状花はオタカラコウが8枚程度なのに、
メタカラコウでは1-3枚と少なく、花が抜け落ちてしまったような感じがします。
タカラコウ(宝香)の名前ですが、根茎が樟脳のような香りをするからとか。その中で、大きく立派なのが
オタカラコウ、すこし小型で弱々しい感じの方がメタカラコウです。
ウメバチソウ(梅鉢草) ゆきのした科。
山の日当たりのよい湿地に生える多年草です。Wikiでは独立して、うめばちそう科になっています。
Wikiにはウメバチソウでは仮雄蕊が12-22裂するのに対して、
高山種のコウメバチソウでは7-11裂する、とあります。
でも、牧野も北村もウメバチソウ、となっていますので、ここではウメバチソウにしておきます。
名前は、加賀前田家の家紋梅鉢紋に似ているからとか、確かに梅の花よりも梅鉢紋をそのまま花にした
形です。
ウサギギク(兎菊) きく科。
本州中部以北の亜高山~高山帯の草原に分布する多年草です。山の雪が消えた時、
二枚の葉が対生して出てくるのをウサギの耳に見立てたとあります。
花は、ひまわりを小ぶりにしたような感じです。近縁種にエゾウサギギクがあって、
違いは筒状花に毛がある(ウサギギク)かないか(エゾウサギギク)だそうですが、
花を分解して調べるわけにもいきません。
深く追求せずウサギギクとします。
テガタチドリ(手形千鳥) ラン科。
中部地方以北の亜高山~高山帯の草原に分布する多年草です。
類似種にノビネチドリがありますが、ノビネチドリ(伊吹北尾根で紹介)の葉は波打つことで区別できます。
よく見ると、花の形も違います。
接頭辞の「テガタ」「ノビネ」は根茎の形状だそうで、テガタチドリは根茎が手の形をしているとか、
でも掘り出して調べるわけにもいきません。
チドリは水鳥のチドリです。花をUPしてみてみると、
水辺をたくさんのチドリが羽を広げて飛び回っているように見えるでしょう。
昔の人の名付けには本当に感服するばかりです。
ヨツバシオガマ(四葉塩釜) ごまのはぐさ科
中部地方以北の亜高山~高山帯の草原に分布する多年草です。
シオガマギクの仲間には、シオガマギク、ヨツバシオガマ、タカネシオガマ、
黄花のエゾシオガマなどあります。
そのなかで、ヨツバシオガマはもっともよく見られるもので、4枚の葉が輪生するのでその名があります。
でも、「シオガマ」の方の語源については、いくつか記述はありましたが、定説はないようです。
あるHPには、ヨツバシオガマがイネ科植物に半寄生するという実験報告がありました
(ヨツバシオガマ、半寄生、で検索)。生態系の複雑さを窺い知らされます。
コマクサ(駒草) けし科。
中部地方以北の高山の砂礫地などに分布する多年草です。
他の植物が生育できないような厳しい環境の中で美しい花を咲かせるため、
「高山植物の女王」と呼ばれています。
名前の由来は、花の形が馬の顔に似ているからとか、うーんそう見えますかね。
昔は多くの山に生育していたのですが、乱獲で絶滅したところも多く、
現在では各地で保護・復元活動が行われているようです。
写真はは一般観光客はバスで通過するだけの道路沿いにあったのですが、
自生なのか栽培品(保護・増殖活動によるもの)なのか、自信がありません。
他の山でも、栽培品かと思えるコマクサをよく見かける気がします。
伊吹山が典型ですが、他所から持ち込んで栽培しても、それが自生できる
ようになれば、いずれは「自生地」として認定してもらえるのでしょうか。
ハンゴンソウ(反魂草) きく科。
中部以北の山地に生える大型の多年草です。湿った草地、林縁などに多く見られます。
葉は羽状に深く切れ込み、垂れるように広がります。これを、幽霊の手に見立てて、反魂草です。
写真からも、そのような雰囲気が味わっていただけるでしょうか。
ちなみに、反魂というのは、死人の魂を呼び戻すことらしいです(興味ある人は、「反魂香、落語」、
で検索してみてください)。
同じく死者を蘇らせるという意味で、反魂丹という薬もあります。
でも、ハンゴンソウに薬効はないようで、若芽を山菜として用いる、とあります。
クサボタン(草牡丹) きんぽうげ科。
山地の草原や林縁などに分布する半低木で、日本固有種です。
センニンソウ属(Clematis)ですが、つる性ではなく、下部は木質化して直立します。
上部は木質化しないで冬は枯れてしまうので、ぱっと見には多年草のように見えます。
なお釣鐘状の花弁に見えるのは萼片です。また、ブラシのように見えるのは、花後の種子です。
名前は、葉の形が牡丹の葉に似ていることによります。
ホタルブクロ(蛍袋) ききょう科
山野の草原や林縁などに普通に見られる多年草です。
花色は赤紫と白色があり、関東では赤紫が、関西では白色が多い、とあります。
いずれも、花筒に細かな赤色の斑点が見られます。
名前ですが、子供たちが筒の中に蛍を入れて遊んだ、
というものと、元々ほたる(火垂)とは「火を垂れ下げる」の意味でほたるで提灯を意味した、
という2説があります。実際にこの筒の中に蛍を閉じ込めることができるとは思えないので、
後者の方が合理的ですが、「蛍を入れて遊んだ」という方が幻想的で私は好きです。
ホタルブクロの中で蛍が点滅している様子を想像してみてください。
カニコウモリ(蟹蝙蝠) きく科。
亜高山帯の針葉樹林の林床、林縁に自生する多年草で、四国、本州の近畿~東北地方に分布します。
カニコウモリの名前ですが、同じ属にコウモリソウがあり、蝙蝠が羽を広げて飛ぶ形にそっくりな葉をしています。
で、カニコウモリは、コウモリソウの仲間なのですが、葉の形が蝙蝠よりも蟹に似ているので、カニコウモリです。
類縁にオオカニコウモリがあるのですが、オオカニコウモリを特徴づける「茎が稲妻型に屈曲」
が見られないので、カニコウモリとしました。
オヤマリンドウ(御山竜胆) りんどう科。
亜高山〜高山の湿地や草地に生える多年草で、日本の固有種です。
分布は本州中部、関東地方とあります。茎の先端部に濃紫色の花を数個付けます。
花は、すぼまったままでほとんど開くことはありません。私は、
てっきりこれは蕾で、いずれ開花するものと思っていましたが、
どうもそうではないようです。
類縁のエゾリンドウは、オヤマリンドウに比べて少し大型で、花もちゃんと開花します。
中間型でエゾオヤマリンドウもあります。
で、オヤマ(御山)ですが、私は御嶽山のことと思っていましたが、
明確な記述が見つかりません。調べておきます。
サラシナショウマ(晒菜升麻) きんぽうげ科。
山地の木陰や草原に生える大型の多年草です。
葉は2−3回3出複葉、悪臭があります。
多数の白色の花を房状に付けます。
名前のサラシナは若菜を茹でて晒して山菜としたことに由来します。
ショウマ(升麻)は、同属の植物(オオミツバショウマ)の中国名で、
根茎が生薬として利用されます。
観賞用に庭に植えられ、園芸品種も販売されているようです。
イワギキョウ(岩桔梗) ききょう科。
中部地方以北の亜高山〜高山帯の砂礫地や草原に自生する多年草です。
草丈は10cmほどですが、草丈の割には大きな2,3cmの紫色の花を上向きに咲かせます。
類似種に同じホタルブクロ属(Campanula)のチシマギキョウがありますが、
チシマギキョウでは花弁の周りに毛があること、花は横を向くこと、などで区別できます。
ソバナ(岨菜) ききょう科。
山地の林縁や沢沿いに生育する多年草です。50-100cmにもなる花茎を立て、
大きなものでは枝分かれをしながら、薄紫色の釣鐘状の花を多数つけます。
ソバナの名前ですが、岨道(山の険しい道)に生えるので岨菜、とあります。
同じ属のツリガネニンジンとよく似ていますが、
ツリガネニンジンでは葉が輪生するのに対して、ソバナは互生です。
ツリガネニンジンの若芽は山菜トトキとしてよく知られていますが、
ソバナの若芽も山菜になります。
同じく同属のイワシャジンは、
花穂がソバナのように直立せず垂れ下がるので区別できます。
アカソ(赤麻) いらくさ科。
山地や人里の道端などに普通な多年草です。
カラムシ属の茎は昔から衣服の繊維材料として使われてきました。
アカソ(赤麻)の名前も、赤い茎の麻という意味です。
アカソの仲間には、コアカソ、ヤブマオなどいくつかありますが、
茎が赤いのと葉が3裂するのが特徴です。
いらくさ科ですが、イラクサのように有毒な棘はありません。
トリアシショウマ(鳥脚升麻) ゆきのした科。
東北南部から近畿地方の山地に生える多年草です。草丈40-80cm、葉は3回3出複葉です。
チダケサシ属(Astilbe)ですが、アスチルベの名前で園芸品種が販売されています。
写真にあるように、このままでも観賞用に公園に植えられそうです。
なお、種名ですが、ここではトリアシショウマとしましたが、殆ど根拠はありません。
北村図鑑には、アカショウマの変種として、トリアシショウマを含む10個の
変種が記載されており、同定は私には不可能です。
アカショウマの変種(var.)の一つと思ってください。
アカショウマでもよかったのですが、当時なぜトリアシショウマにしたのか、
それも記憶にありません。茎がちっとも赤く見えなかったからかも。
もう少し調査します。
ミヤマアカバナ(深山赤花) あかばな科。
亜高山~高山帯の湿った草地に生える多年草です。花の割に長い花軸が目立ちます。
ピンクの4弁花で、花弁の先端が切れ込んでいます。
類似種としては、平地にあるアカバナ、少し大きく、山地に生えるイワアカバナがあります。
アカバナ、ミヤマアカバナは柱頭が棍棒状なのに対して、
イワアカバナはフラスコのように丸い形をしています。
残念ながら、写真では柱頭の形がはっきりしませんが、高山にあること、
草丈が小さいことからミヤマアカバナとしました。
シシウド(猪独活) せり科。
日当たりのよい山地に生える大型の多年草で、草丈は2-3mにもなります。
名前の由来は、シシ(イノシシ)が冬場に掘り起して食べるからだとか。
花は散状花序で純白の花を多数咲かせ、非常に目を引きます。
古くから、根は独活(ドッカツ)とよばれ薬用に利用されます。
また、葉はハーブとして利用されています。
ウスユキソウ(薄雪草) きく科。
全国の亜高山〜高山帯に分布する多年草です。
日本に自生するエーデルワイスの仲間(ウスユキソウ属、Leontopodium)です。
上部には白色の苞葉が付き、下部の葉は裏面の白い毛があります。
名前の由来は、苞葉が綿毛で白くなっているのを、
雪がうっすらと覆っていると見立てたのでしょうか。
日本にも「初霜の置き惑わせる」という表現がありますし。
類似種のミヤマウスユキソウ、ヒメウスユキソウはより小型です。
因みにエーデルワイスも、「高貴な白」という意味です。
花に責任はないのですが、エーデルワイスという名前、
サウンドオブミュージックの身勝手な大佐を連想して、
何となく高貴ではなく高慢に思えてしまいます。
ヤマハハコ(山母子) きく科。
日当たりのよい山地や高山の草地に生える多年草で、雌雄異株です。
葉は細く、裏面に白い綿毛があります。類縁種にタカネウスユキソウ、
カワラハハコ、ヤハズハハコがあります。
名前は山にあるハハコグサということですが、ハハコグサの方は、
昔はホウコグサで、「這う子」、とか「ほおける」が語源とも言われますが、
よくわかりません。
アキノキリンソウ(秋の麒麟草) きく科。
山地や丘陵などの日当たりのよい場所に生える多年草です。
秋の代名詞ともいえる花で、昔は人里の田畑や土手の周辺にも普通に見られたのですが、
近頃はめっきり少なくなりました。
若芽は食用になります。亜高山帯以上には、
高山型変種のミヤマアキノキリンソウがあります。
高山型の方が、花が比較的頂部に固まって付きやすいが、
中間型もあり区別は難しい、とあります。
写真は普通のアキノキリンソウです。
コバイケイソウ(小梅蕙草) ゆり科。
中部地方以北の本州、北海道の亜高山~高山帯の草地や湿地に生育する多年草です。
名前の由来ですが、バイケイソウがあり、そのコバイケイソウは小型種ですが、
バイケイソウの名前は花が梅に、また葉が蕙蘭似ていることによります。
コバイケイソウは写真のように群落を作ることが多く、よく目立ちます。
全草にアルカロイド系の有毒成分を含み、新芽を誤食すると中毒を起こし、
時には死亡することもあります。
ノリウツギ(糊空木) ゆきのした科。
山地の林縁などに生育する落葉低木で、樹高は2-5mくらいになります。
夏に花をつけるアジサイ属(Hydrangea)で、樹を覆うように白い花をつけるので、
遠くからでも目立ちます。
ノリウツギの名前は、この樹液を和紙を漉く際の糊として利用したことによります。
高山植物というわけではなく、岐阜市近郊の山野でも見ることができます。
山でみられる花々TOP