仲春の小豆島で(08/4/26-27)

仲春に小豆島を周遊した時出会った花々です。小豆島はほとんどが山地で、 写真も山地で撮られたものですので、山の写真として紹介します。 小豆島は、あまり人が入らないのでしょうか、 低山でも都市近郊では見られない植物を見ることができます。
(ホタルカズラ/イチリンソウ/ジュウニヒトエ/マムシグサ/ ウラシマソウ/メギ/ムべ/タツナミソウ/ツクバネソウ)


ホタルカズラ(蛍蔓) むらさき科。
全国の日当たりの良い草原、山野に生える多年草です。 新緑の中で瑠璃色の花はよく目立ちます。鮮やかな花色が蛍光色を帯びるため、 それをホタルに見立てたものでしょう。 花後に走出茎(ランナー)を出して、繁殖していきます。 草丈が低いので、(競争を避けるため)石垣や岩の間に咲いていることが多いようです。 なお、園芸店などでホタルカズラとして販売されているのは、 近縁のミヤマホタルカズラです。


イチリンソウ(一輪草) きんぽうげ科。
落葉広葉樹林の林床に生育する多年草です。早春に花を咲かせ、 初夏には枯れてしまうスプリング・エフェメラル(春の妖精)です。 花茎の先端に一輪だけ花をつけるのでイチリンソウです。 イチリンソウの仲間には、○○イチリンソウ、というのが多数ありますが、 これはその標準種です。 本州以南に広く分布し、しばしば群生するので、それほど珍しい花ではありません。 葉は3出複葉で、羽状に深裂するのが特徴です。


ジュウニヒトエ(十二一重) しそ科。
本州、四国の山地などに自生する多年草です。 日本固有種ですが、いくつかの地域では絶滅危惧種に指定されています。 キランソウ属で、同属のキランソウが地面を這うように広がるのに対して、 こちらは花茎を直立させます。花色は、キランソウが濃い青なのに対して、 ジュウニヒトエの方は赤紫色を帯びた白色です。 少し薄汚れた白に近く、あまり見栄えのするものではありません。 なお、キランソウにも花茎を直立させるものがあるので、注意が必要です。 園芸種にはセイヨウジュウニヒトエがあり草姿はジュウニヒトエより少し大きめ、花色は濃い青色です。


マムシグサ(蝮草) さといも科。
関東以西の山地の林床に生える多年草です。 茎(偽茎だそうです)の下部には紫−褐色のまだら模様があり、 これが蝮に似ていることからマムシグサです。 綺麗な花なのに、マムシグサの名前はちょっとかわいそうな気がします。 雌雄異株で、雌花は秋には真っ赤な実をつけます。 全草有毒植物です。山地では比較的よく見かけるのですが、テンナンショウ属(Arisaema)には 地域ごとに多数の変種があり、その分類は素人には困難です。 たぶん、写真はマムシグサでよいと思うのですが、厳密な分類は、 写真だけでは難しいです。


ウラシマソウ(浦島草) さといも科。
本州、四国の林中、林縁などに生える多年草です。 花序の先端の付属体から長く伸びたひげを浦島太郎が釣り糸を垂れているのに見立てて、 ウラシマソウです。こちらは、この釣糸のため、同定は容易です。 ユーモラスな草姿が山野草として人気なのでしょうか、園芸店などで販売されているのをよく見かけます。 雌雄異株ですが、個体が小さなうちは雄花、大きくなると雌花をつけます。いわゆる「性転換」をする植物です。


メギ(目木) めぎ科。
関東以西に分布する落葉低木です。秋には楕円形の果実が赤く熟します。 赤く熟した果実は果実酒にできます。 メギの名前ですが、枝や根を煎じたものが眼病に効くと言われたことに由来するそうです。 写真で分かるように、枝には鋭い棘があり、コトリトマラズの別名があります。 庭木、垣根として利用される、とありますが、私は見たことがありません。


ムべ(郁子、野木瓜) あけび科。
関東以西の山野に生える常緑の蔓性木本です。5月ごろに花をつけ、秋に果実が熟します。 果実はアケビに似ていますが、熟しても裂開することはありません。 果肉は甘く、食用になるとのことですが、種が多く食べにくい、とあります。 私はまだ食べたことがありません。 ムベの果実は長寿薬になるとのことで、少し前まで皇室に献上していたとのことです。


タツナミソウ(立浪草) しそ科。
本州以南の丘陵地や山野の林縁に生える多年草です。 花は横向きに咲くのですが、全て同じ方向を向いて咲きます。 花の様子が波が立っている所を連想するからタツナミソウです。 それほど珍しい花ではなく、 岐阜近郊でも低山の林縁などに見ることができます。 近縁種に、オカタツナミ、シソバタツナミなどがあり、 写真からの分類はそれほど容易ではないようです。


ツクバネソウ(衝羽根草) ゆり科。
全国の山地の林内、林縁に自生する多年草です。 輪生する大きな4枚の葉と、その中心にできる果実を、衝羽根に例えたのでしょう。 花は黄緑色であまり目立ちませんが、その姿が個性的で、一度見ると忘れられません。 類似種にはキヌガサソウ、クルマバツクバネソウがありますが、輪生する葉の数から区別は容易です。


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