仲春の舟伏山の花々(14/5/4)

仲春の舟伏山で出会った花々を紹介します。 イワザクラを期待して登ったのですが、花期は過ぎていました。 それでも、私が初めて出会う花もあり、楽しい山行きでした。
(エビネ/クロモジ/ナツトウダイ/オキナグサ/ルイヨウボタン/アシウテンナンショウ/ガクウツギ/セントウソウ)


エビネ(海老根) らん科。
全国の山地の木陰などに生える多年草です。 昔は普通に見られたのでしょうが、乱獲・盗掘により激減し、 準絶滅危惧種に指定されています。 エビネの名前は、根茎が連なり海老のような形になることによります。 野生のエビネにおいても、花色は変異が大きい、とあり、正直なところ、 私はエビネを他のラン類から特徴づけるものが何なのか、 うまく説明できません。今回に関しては、葉の形、花の形などを判断基準に エビネとしました(実は、ある人に名前を教えられて分かったのですが)。 園芸種としてのエビネは人気が高く、商業的に品種改良がされていて、 本当に様々な色、形のものが生産・販売されています。


クロモジ(黒文字) くすのき科。
本州以南の低山や疎林の斜面などに分布する落葉低木です。 低木と言っても、樹高は4,5m程度にはなります。 青い空に黄色い花が生えてとても綺麗です。 本種は「春の荒島岳」で取り上げ済みですので、 詳しくはクロモジをご覧ください。


ナツトウダイ(夏燈台) とうだいぐさ科。
全国の山野に生える多年草です。ナツトウダイの名前がありますが、 花は春4−6月に咲きます。 輪生する葉から放射状に突き出した花軸の先端に杯状花序をつけます。 杯状花序には、一個の雌花と複数の雄花が入っており、 まず雌花が先熟、受粉し、その後雄花が成熟します。 写真は、すでに雌花は受粉し、雄花が咲いているように見えます。


オキナグサ(翁草) きんぽうげ科。
全国の山地の日当たりの良い草原などに自生する多年草です。 実は、この写真は舟伏山山頂に説明板とともに植えられていたものです。 昔は舟伏山にも生えていたようですが、今では里山に人手が入らないことで オキナグサが生育できる環境がなくなり、舟伏山のオキナグサは絶滅したとのことです。 状況は、どこも同じらしく、全国的にオキナグサの激減が報告されています。 オキナグサの名前ですが、綿毛のついた種子の形を翁に例えたものだそうです。 なお、園芸品種がオキナグサの名前で販売されています。


ルイヨウボタン(類葉牡丹)めぎ科。
落葉広葉樹林帯の林床に生育する多年草です。 舟伏山稜線沿いはルイヨウボタンの大群落でした。 すでに伊吹北尾根で取り上げましたので、詳しくは ルイヨウボタンをご覧ください。


アシウテンナンショウ(芦生天南星) さといも科。
中部・近畿地方の日本海側の山地の林床に自生する多年草です。 テンナンショウの分類はとても難しいのですが、 葉が一枚であること、5つに深裂していること、紫がかった花色、 などからアシウテンナンショウと推定しました。 同属のマムシグサは至る所で見られますが、本種は比較的珍しいもののようです。 名前のアシウですが、京都府北部の地名芦生(アシウ)で、 そこで最初に本種が報告されたのでしょうか。 近畿レッドデータブックカテゴリーでは絶滅危惧種Cになっていますが、 舟伏山で見つかってよかったのでしょうか。


ガクウツギ(額空木)ゆきのした科。
関東以西の太平洋側の山林の林床、林縁に生える落葉低木で、 樹高は2mほどになります。 特異な形の装飾花が真っ白で遠くからでもよく目立ちます。 ガクアジサイのように、装飾花が周囲を囲む、というわけではなく、 まばらで、適当についているようにも見えます。 ガクウツギのガクは、ガク(装飾花)が目立つので良いのですが、 ウツギの名は、ウツギ属、バイカウツギ属以外に、アジサイ属の一部にも広がっています。 「ウツギとはこれだ」という核特徴が私には見つけられません。


セントウソウ(仙洞草) せり科。
広く日本に分布し、山野の林床、林縁に生える小型の多年草で、日本固有種です。 早春、木々が芽吹く前に花を咲かせます。 せり科だし、触って柔らかいし、食べられないとは思えないのですが、 どこにも山菜としての記述がありません。 一つだけHPに、食べることができるとの記載があり、 イタリアンパセリとコリアンダーの中間の味だそうです。 すでに長良川の所で取り上げ済みですので、詳しくは そちらをご覧ください。

山でみられる花々TOP