鳥居峠越えの花々(15/5/30)


ひょんなことから、奈良井宿から薮原宿へと鳥居峠越えをすることになり、その時に出会った花々の紹介です。 既出なので今回紹介しませんが、ラショウモンカズラ、シャクなども見られました。
(フタリシズカ、クリンユキフデ、ミツバウツギ、オオヤマフスマ、オトコヨウゾメ、トチノキ)


フタリシズカ(二人静) センリョウ科
山地や林野に生える多年草です。ヒトリシズカと同じチャラン属でよく似ていますが、 ヒトリシズカの花穂が一本なのに対して、花穂が2本となるのでフタリシズカです。 葉も、ヒトリシズカが輪生なのに対して、フタリシズカは対生です。 花期は5-6月で、雪解け直後に咲くヒトリシズカよりは遅くなります。 名前ですが、能楽に『二人静』(二人の静御前の亡霊による舞)というのがあるので、 フタリシズカの名前が先につき、花穂一つのをヒトリシズカと呼んだという方が自然です。 実際、ヒトリシズカだけから、静御前を連想するのには、かなりの想像力が要ります。 花は、残念ながら、こちらの方が地味で、山の花としては、ヒトリシズカの方が有名に なってしまいました。 でも、この花、二人の亡霊が能を舞っているようにみえませんか?


クリンユキフデ(九輪雪筆) タデ科
深山の樹林下に生える多年草です。花も、軸を抱く葉の付き方も、タデ科の特徴が良く出ています。 風流な名前の由来は、「雪のように白い筆状の穂を数層につけるので、 <九輪雪筆>の和名がつけられた」との推測もありますが、本当のところは良く分かっていません。 江戸時代の植物図鑑にはすでにこの名があって、「名義難認」と書かれているとのことです。 いずれにせよ、分岐しない枝から、何層にも葉と花穂を出している姿は、かなり個性的で、 昔の人も、良い名前はないものかと悩んだのかもしれません。 でも、オオ〇〇タデ、なんて名付けられるより、ずっといいですよね。


ミツバウツギ(三葉空木) ミツバウツギ科
山地の樹林下に生える落葉低木です。遠目にはウノハナにそっくりで、 またウツギの名前もついていますが、ウノハナ(ウツギ)の仲間ではなく、 独立のミツバウツギ科を構成します。 花は5弁ですが、白いガクを伴うため、10弁のように見えます。 新芽や若葉、蕾は山菜として利用されます。 また材は、古くは箸として利用されたので、「ハシキ」の別名があります。


オオヤマフスマ(大山衾) ナデシコ科
山地に生える多年草で、草高10ー20㎝になり、しばしば群生します。 平地で普通に見られるノミノフスマの大型種で 山に生えるので、このような名前が付いたのだと思います。 パット見には、ハコベの大型種、というところで、 それほど魅力的な花とは言えません。 たた、ハコベの大型種は珍しいので、 ハコベの仲間で、草高50㎝にもなる「タガソデソウ」の小型種ということで、 ヒメタガソデソウという名前をもらっています。 残念ながら、本物のタガソデソウには、まだお目にかかれません。


オトコヨウゾメ(男ヨウゾメ) ガマズミ科
本州以南の温暖地に生える落葉低木です。 これは紹介済みですが、きれいに撮れたので再掲です。 ヨウゾメとはガマズミのことで、ガマズミに比べて 花のぱっとしない本種に「オトコ」を関したものと思われます。 ガマズミ属は、古くはスイカズラ科、APGで一旦はレンプクソウ科とされていたのが、 2017年からは、ガマズミ科として独立しました。 分類体系の改定、素人はとてもついていけないので、適当に妥協するしかありません。 ちなみに「APG牧野」は、2014年版なので、レンプクソウ科となっています。 その他の説明は、前回の紹介をご覧ください。


トチノキ(栃木) ムクロジ科
これも紹介済みですが、前回のものは植栽されたものだったので、 自生のトチノキの紹介です。山一帯がトチノキ林で、一斉に花を咲かせた姿は、 壮観です。 これも、旧体系ではトチノキ科でしたが、APGではムクロジ科になっています。 その他の説明は、前回の紹介をご覧ください。
山の花々(本HP)TOP